石田製麩所では、1日に約300個の麩を焼いています。
まず、グルテンと小麦粉を混ぜ合わせ、よくこねて、生地を作ります。
その生地をお湯に入れ、機械を通して細く薄く伸ばしていきます。
それを木の棒に巻き付け、遠赤外線効果のあるガスを使った機械で、回転させながら焼いていきます。
焼き上がりは筒状です。
これを棒から外し、一度蒸気で柔らかくして板状に伸ばし、さらに板の間に挟んで潰して完成です。
一番のポイントは、生地を棒に巻き付けるところ。
隙間なくきれいな螺旋状に巻けるようになるには、2、3年はかかると言います。
熟練された作業員の方の手によって、生地が棒になめらかに巻かれていく様子は、思わず見とれてしまう美しさでした。
また、生地をこねる時間や水分量は、気温や湿度により調整しているそうですが、これは長年の感覚でわかるのだとか。
人の手や感覚がおいしく美しい板麩作りに欠かせない要素なのですね。